かみさまの椅子

「アルタ」


只ならぬ空気にリオンは顔をしかめる。
アルタと一緒にいた青空の姿が見当たらないのも原因の一つである。


「……ソ……ソラが首猟に浚われた」

アルタの声が震えていた、それを聞きリオンはその場にいる既にギャラリーと化していた団員達に剣を押し付けゲイリーを踏みつけていた足をどける。

「…………予定変更」

コートを羽織りリオンは直ぐに飛び立てる様指示を出しチラリとゲイリーに視線を向ける。

「お前、何企んでる」

リオンは剣を突きつけても余裕の表情で居たゲイリーに賞金稼ぎで接触して来たとは思えなかった。

「ふむ一足遅かったな」

立ち上がりその辺に転がっていた帽子を拾い、砂埃を払ってそれを被りリオンに向き直る


「白獅子、私は君達と共闘関係を結ぶ為に近づいたんだよ」


そう言う表情は今まで一番腹の見えない黒い笑みだった。

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