かみさまの椅子

「えっ?忘れちゃったの!!?」

信じられないとでも言いたげな表情で少女の肩をがっちり掴むこの青年、確かに思い出せそうで少女は眉間に皺が寄る。


「思い出してくれよ~!!」

言いながらがしがしと揺らす青年、揺さぶられた方は思い出す所では無い。

「ちょっ………待っ…」

「思い出してくれー!!」


静止の言葉も青年には聞こえて居ない様である。


ゴン



鈍い音と共に揺さぶりは止り青年は俯せで床に転がっていた。


「ウルセェ、元気になった途端に喧しいったらありゃしねぇ」


転がっている青年から視線を上げればそこには意識が無くなる直前まで側に居た白銀の髪をした長身の彼だった。


「え~と、どうなってるの?」


「気を失ったんだよ」

白銀の髪をした名は確かリオンと呼ばれて居た彼の隣りにはハイドと呼ばれて居た男の人が少女に説明しだした。

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