かみさまの椅子
「聞こえないなぁ~、ほら早く金賞の賞品を出して!ハワイ旅行?温泉旅館?それとも世界一周!?」
興奮してばんばん机を叩いて賞品を催促するのを溜め息を吐いておじいちゃんはブツブツ言いながら裏の方に行ってしまった。
暫くして持って来たのは何か白い布に包まれた物
「あれでも金を当てたんじゃ、この子が選ばれたと考えよう」
未だにブツブツなんだか自分を納得させる様に言うおじいちゃん。
「ほら早く見せて」
少女に言われ被っていた布を外す。
「……………何これ」
出て来た物を見つめてポツリと呟く。
「金賞の賞品じゃ」
と少女に丁寧に答えるおじいちゃん。
布に包まれていたのは普通の椅子だった。