かみさまの椅子


フィードの言葉に面倒臭そうに眉間を寄せるが皆の期待の籠った視線に嫌だとも言えずコホンと一つ咳払いをする。


「今日ここに新しい仲間の小娘」

「私は小娘じゃないんだけど」

「………」


いちいちウルセェとぼやきながら、どっかの校長並に長い言葉をつらつらと述べるリオン。


「神の遺産を所持する少女」

とそこまで言うと何故か話しが止りリオンは少女を見つめたまま口を開かない。


それから近くに居たフィードに何やら小声で話している



「はっ!?名前なんだってキャプテン今さら」

「じゃあお前知ってんのか?」

「そりゃ……えーっと、えーっと」



悩むフィードに辺りもざわつき出す。

「えっ何だっけ?」「あれだ、あれえーと」「聞きゃいいだろ?」「今さらじゃね」

と小声で話してる癖に少女には丸聞こえである。

「お前の名前はなんなんだ?」

「おもいっきり今更だなおい」


素直に聞いてきたリオンに少女は呆れて言葉を返す。


「今更ってなんだよ俺がお前の為に乾杯しようとしてんだ、さっさと教えろ」


「んなっ!偉そうに!私の名前は!!」






< 63 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop