かみさまの椅子
「生意気な」
ぼそぼそと言った言葉がリオンの耳に入ったのかリオンは眉間に皺を寄せる
「お前の方が生意気だろ」
「だってさ何であんたが髪染めただけで私がこんなコート着込まなきゃ行けないの?これじゃ思いっ切り不審者なんだけど」
と言いつつフードを取ろうとする青空
スッパーン!
気持ちのいいぐらいの音をさせて手を思いっ切りスッパタくリオン
「いだい、手が赤いんだけど」
「ウルセェ、目立つんだからフード取ってんじゃねぇよ」
リオンはそう言うが明らかに今の青空の格好は不審者で普通にしているより目立って居る気がし、更に青空は誰もが振り向く容姿をするリオンの隣りを歩くから尚更目立って居る気がしていた。
「私も髪染めたかった」
「はっ?馬鹿言ってんじゃねぇよ」
フードから微かに見える青空の瞳がちらりと見え不満げなのが解る
「あのな、お前綺麗な黒髪してんだから染めたりして痛んだら勿体ねぇだろ」
何ごとも無く言ったリオンだが青空は目を見開いて隣りを見上げる。