かみさまの椅子
日本に居た頃、青空が高校に上がり通ううちに周りの皆はお洒落に目覚めて髪を染める子が増え始めた。
青空も綺麗に可愛くなって行く友達を見て羨ましく思い、家に内緒で染料を買いこっそりと髪を染めようとしたが、準備も整い気持ちもワクワクさせながらさぁ染めようとした時丁度爺ちゃんに見つかりすっぱたかれて怒られたのだ。
艶やかな黒髪は日本女性特有の美しさで誇りだ、お前は外人にでもなりたいのか!
そう正座させられながら道場で説教された。
自分の髪を大事にしなさい、黒髪でも十分綺麗になれる
そう言われ、更に婆ちゃんにも同じ事を言われてしまえば染められない。
友達に何度も染めれば?と勧められたが、次第に長くなっていく黒髪を毎日丁寧にケアしていくうちに艶めく黒髪が青空の中では唯一女性らしさの自慢になっていた。