かみさまの椅子
「ありがとうございました~!!」
爽やかな笑顔で見送られリオンと青空はゲッソリとしながら両手に紙袋を持って店を後にした。
試着した服はそのまま買いセーラー服は紙袋に居れてもらい何着か服を買ったのだが、その間の店員の接客が一人妄想に行く事が度々ありリオンと青空の二人は常時空笑いで流しお店を出る頃には何故か歪んだ笑顔が張り付いた様になっていた。
「疲れた」
「もぅお前の買い物なんかにゃ付き合わねぇからな」
「解った」
二人して顔の筋肉をほぐしながら並んで歩く。
「あっ」
「んー?」
ふと目に付いて足が止る青空に吊られてリオンも立ち止まり青空が見ている先に視線が行く。
そこには露店の並びがありカラフルなテントに看板が目に入る、その一つに青空は吸い寄せられるようにフラフラ歩み寄る。
「美味しそ~」
じゅるっと音が聞こえて来そうなぐらい口を開けて見つめる先にあるのはショーケースの中にある色とりどりのジェラートだった。