かみさまの椅子

「さっさと戻るぞ」

「食べたい」


リオンの言葉など右から左に流されショーケースに子どもの様に張り付く青空。

アイスやジェラートがそりゃもう大好物な青空はこちらの世界で初めて見るジェラートであろう物に目を輝かせていた。

「無駄なもんは買わねぇぞ」

「おじさーん!この水色のやつ一つ!!!」
「人の話を聞けぇぇぇ!!!!」


リオンの叫び声が辺りに響いて回りの人達が一斉に二人を見るが、そんなの気にせずに青空は屋台のおじさんからコーンに乗った淡い水色のジェラートを受け取る。

「これどんな味がするんですか?」


「そりゃムライアっつってこの街の近くにあるムライア海から採れた塩を使ってる甘じょっぱい味だよ」

「へぇ~」

ワクワクしながら刺さっているスプーンで掬って口に運ぶ。



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