捨てられたプリクラ帳 ―復讐―
放課後、咲月の家を訪ねることに
した私は、自転車で咲月の家へ向かう。



風が気持ち良かった。
薄らと汗をかいていたので、
冷たく当たる風が気持ち良かった。



お母さんは、私のプリクラ帳を
捨てたと言った....



「たまに家に来る、咲月って子のこと、
 あんた嫌いだったんだ?」



───そう言ってお母さんはニヤッと
笑ったんだ....



その瞬間、弱みを握られた、って思った。
咲月が来る時はお母さん、優しくなる。



美味しいお菓子だってお盆に載せて
私の部屋に持ってきてくれるし、
咲月に対して、優しく接する。



だけど、帰ったあとは、



「調子乗んなよ。
 あんたごときがお菓子なんて
 食べんじゃねーよ。」



怖かった。
もう思い出したくない。



家だって出たいんだ。
だけど....お父さんは裏切れない....



お父さんは私に凄く優しいし、
お母さんから私を守ってくれる。



だけど、お父さんはほとんど
家に帰ってこないんだ....
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