捨てられたプリクラ帳 ―復讐―
咲月が悪い訳じゃない。



私は咲月の大きな家を見上げた。



確かお父さんは大学の教授を
やっていたかな?



お母さんは綺麗な人で、
今とても売れている作家だ。



咲月の家に遊びに行って、
彼女のお母さんの笑顔を見る度
心が痛くなる。



私もお母さんにあんな風に
接してもらえたら....



咲月のお母さんの笑顔は、
正真正銘本物だ。



ふんわりと柔らかな、
優しい笑顔。



私はふと視線を感じ、
咲月の部屋を見た。



カーテンが少し開いていて、
そこから覗いているのは....



私は次の瞬間、咲月の家の
チャイムを押していた。



ピンポーン....
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