捨てられたプリクラ帳 ―復讐―
マイナス思考の私は、
咄嗟に悪い想像を巡らせる....



もしかして、お母さん、
咲月が帰る時に、プリ帳渡したり、
なんてしてないよね?




咲月のお母さんは気を利かせて、
内線の電話で咲月を呼び出した。



「....あ、咲月?
 朋子ちゃんが来てくれたのよ。
 今から上がらせるわね。
 ....そうよ、良かったね!」



どうやら咲月は快く私を向かえて
くれるようだ。



少しだけ申し訳ない気持ちになる。



でも、お母さんはプリクラ帳を
咲月に渡していないということが
分かった。



だって、もし渡していたら、
咲月は私の顔なんて見たくないはず....



綺麗な咲月の家の階段を
上りながら、私とは
何もかもが違うんだ、と
思った....



「咲月?入るよ....?」



トントンと咲月の部屋、と書かれた
ドアをノックする。
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