捨てられたプリクラ帳 ―復讐―
隣を優雅に歩く咲月。
どう考えたって、私とは
放っているオーラが違うというか....



通りすがる1年生たちが、
咲月を見て、こそこそと小さな声で
喋りはじめた。



私はなんだろう、と眉をひそめた。



「伊藤先輩、さようなら!」



彼女たちは咲月に挨拶をした。
咲月の名字は伊藤。



「え?
 あ、さようなら。」



咲月は一瞬戸惑いを見せたが、
そのあとすぐ笑顔で挨拶を返した。



「管楽器の後輩?」



管楽器の咲月にそう聞くと、
咲月はううん、と首を振った。



「違う。見たことない子たちだった。」



....なるほど。
私のモヤモヤはさらに激しくなる。



1年生の間でも
咲月は噂になっているわけか....



私には一生無理だ。
余程派手なことでもしないと有名になれない。
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