捨てられたプリクラ帳 ―復讐―
「おはようございます。」



教室に入っても、案の定誰も
来ていなかった。



朝練がある人は、
教室に残っていないからだ。



みんな、運動場かな、
それぞれの部室かな、
それとも体育館かな....



席に着いて、持ってきたメモ帳を
カバンの中から取り出す。



1枚だけ破り、
シャーペンを取り出した。



カチッと微かなシャー芯の音がする。



咲月は左利きだから、
シャーペンを右手に持ち替える。



芯を何ミリか出し、
紙に決めていたことを書き始めた....



伊藤咲月先輩へ

手紙、届きましたか?
同じパートなのに、手紙の話を
して下さらない先輩を見て、
少しだけ不安です。


出来ればもっともっと
お話したいのです。

贅沢な話ですが、
お返事下さい!
待っています。

1・D 中村悟
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