捨てられたプリクラ帳 ―復讐―

....回想にふけっていると、
大丈夫？と遠慮がちの声がして、驚いた。



それって、4年前の台詞と一緒だったもん。



「....咲月....」



さっき言ってしまった言葉を思い出し、
深く後悔した。



咲月さえいなければ。



思うことはよくあったけど....
クラスのみんなの前で言うなんて、
私はなんて最低なんだろう....



咲月を裏切ったのに、
咲月に甘えている私って、
なんて最低なんだろう。



「....その、中村君には
　ちゃんとあたしが言っておくからね。
　ごめんね、朋子に嫌な思いさせちゃって。」



咲月はそう言って、俯いた。



「うん....分かった....あんなこと、
　言っちゃってごめんね....？

　....え？！」



ハッと気が付いた。



だって誰にも言っていない。
手紙の内容を誰にも言ってない。



クラスメイトには、咲月宛てのファンレターが私に間違えてきたって言ったから。