捨てられたプリクラ帳 ―復讐―
「....」



咲月は黙りこむ。
どう考えたって、今までの私たちには
考えられないことだった。



喧嘩なんて、したことないと言っても
良いほど、なかった。



睨むなんて、1度もなかった。
....面と向かって。



ただし、私は陰でこっそりと
咲月を睨むことはあったのだ。



ただの嫉妬。



だけど、その感情には今、
疑いに憎悪がこもっている。



「なんで手紙の内容知ってたの?」



涙が溢れそうだった。



それとも....
それとも....
頭が働かない私には他の可能性なんて
考えられなかった。



ただ、咲月を睨んで、
真正面から睨んで、
聞きたいことを吐きだした。



1年D組の中村君とグルになって
手紙書いて、わざと私のロッカーの中に
入れたから知ってるの....?
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