捨てられたプリクラ帳 ―復讐―
「....それは。」



私の質問の答えになっていない
文章を、咲月は言った。



「あたしは朋子のこと何でも知ってるからだよ。」



ニヤリと笑ったその顔。
私は忘れられない───



「うそ!」



その瞬間、私は無意識に
咲月の腕を乱暴に掴んだ。



私の涙が宙を舞ったのが見え、
ドラマのワンシーンみたいだと
ほんの一瞬、呑気なことを考えた。



「何も知らない!
 咲月は私のことなんて何も知らない....!」



プリクラ帳のこと



お父さんのこと、お母さんのこと



今までのテストの点が咲月のテストと
最低20点は離れていたことも



英語の音読カードの親のサインは
全部自分で書いていること....



全部、咲月は知らない。
親友って呼べるのか。



私には分からないから、
咲月のプリクラを潰したんだよ....
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