恋愛予報いたします。
「お父さんはね、実は大手音楽楽器店YAMOHAの社長息子なの。
だからお父さんは小さい時から何不自由なく生活をしてきて、いわゆるお坊っちゃまだったんだけど..
お母さまが厳しくてね、
誰とも遊べないし、全員に敬語を遣わなければいけないし、おまけに色んな楽器が弾けるように練習させられるし…
そんな毎日を送っていたお父さんは、自分の生活に嫌気がさして、とうとう原崎家と縁を切ってしまったの。
だけど、会社側はお父さんは一人息子だし、縁を切らせる訳にはいかなかった。
そこでお父さんのお父さんは、自立してもいいが、後継者が決まるまで縁を切らない、という約束でお父さんの自立を許してくれたの。
それから当時お嬢様だった私と出会って結婚して、美央を産んで、ちょっと貧乏だったけど幸せな日々を送っていたのに…」
そう言ってお母さんは温かいお茶を飲み干した。
「それで?何があったの?」