innocence
「俺はいつも自然に閉じてるのに、たまにうっすら目開けてみたら皐月この至近距離で俺の顔じーっと見てるし。俺恥ずかしくて死にそうになるんだぞ!」
彼はかなり照れ屋だ。
さっきからずっと顔が真っ赤。
あたしそんなに恥ずかしいことしてるんだろうかとつい考えてしまう。
「じゃあいっそのこと紘くんも目開けとくとか! それなら一方的に見られてる感じしないしお互い様じゃない?」
そんな状況、考えただけで濡れる。
ただでさえキスは緊張するのに、彼にずっと見つめられたままだったらあたしの心臓は壊れるかもしれない。
でも、壊れちゃってもいいかな、なんて思ってみたりする。
あたしはあたしがよくわからない。