茶の人生
「母ちゃん…」







自分が生まれてすぐに、母ちゃんと親父は離婚した。







正直、親父の顔は覚えていない。







物心ついたときから、
家族は母ちゃんしかいなかった。







俺のたった一人の家族。たった一人の母ちゃん。






父兄参観にも来てくれた母ちゃん。







破天荒でテキトーな母ちゃん。







料理が下手な母ちゃん。






俺が泣いているときは、優しく抱きしめて一緒に泣いてくれた母ちゃん。






俺の大好きな母ちゃん。






…もういない。







< 31 / 66 >

この作品をシェア

pagetop