天然100%
小動物のように黒目がちな瞳をくるりとさせて、慌てる西根さん。


「あれ?カバン昨日と違う」


紺色の学生カバンはスポーティなクリーム色のショルダーバッグに変わっていた。


「昨日来る時どこかで落としちゃったみたいで
…ところで、今日の告白どうだった?」


届かなかったんだ…。

というか、それで生活できているのも呆れを通り越して感心する。


「あまり、上手い下手は分からないけど、返事に困らない感じだね」


少なくとも、結婚よりは気軽に答えられる。
嬉々として話す西根さんに、俺は少し声を潜めた。

いつもはまばらな人が今日は少し多めなのが気になった。


どうやら、通勤ラッシュの時間だったらしい。


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