星の旋律、砂の音色
煌びやかなホテル街。
まだ夕方なのにカップルは結構いる。
私のお気に入りの部屋。
デートの時は毎回そこって決まってて。
「あ~また今月も金欠だぁ」
「だったらホテル来なくて良かったのにぃ。
悠の家だって私はいいんだよ?」
「いい子だなぁあかりは。
でもいいの、今日は特別なの。」
「何で?」
服を脱ぎながら聞く。
「それは、あかりは大学生になったから。
ちゃんと俺の横で、大学生になったから。」
そう言って、悠が後ろから抱きしめる。
「お前が東京行きたいって言った時は、
どうやって止めるかしか頭になかったよ。
こうやってお前をまだ抱きしめる事が出来る。
お祝いしなくっちゃな。」
悠の腕に力が込められる。
悠の息が私の耳に触れる。
悠の唇が私の首を這う。
「…ゆ、ぅ、待って…」
「ダメ。」
「お、お風呂…にっ…」
「ガマン出来ないから、ダメ。」
口と口が重なり、心臓の音が大きくなる。
指と指が絡まって、息が交じり合う。
優しい指の動きに、体の重みに、
いつしか体は波に飲まれていく。
でも、それはまるで私の心をごまかすように
真っ白になるまで続く。