星の旋律、砂の音色

「おっと!もうこんな時間じゃん!」



二人でゆったりしていたのに悠が跳ね上がる。

慌てて起きて着替え始める。



「えー、もうちょっといいじゃん」

「ダメだろ、お前の親厳しいんだから。
ほら、早く出る準備しろよ」

「ぶー、もうちょっと一緒いたいよー」

「分かってるよ、俺だって一緒。
でも俺らの将来の為にも今はガマンだ、な?」



悠は頭をポンポンとしてくれる。



私の親は厳しい。

高校の時は部活があっても門限は7時。

男の子から電話がかかってきたら即切り。

男の子と一緒に居るとこなんて見られたら

即効で別れさせられてしまう。



悠はそんな私の親に認めて貰う為にも

ちゃんと私を門限までに帰してくれる。

本当はお泊りだってしたいだろうし、

一緒にいたいって思ってくれてるんだろうけど

文句一つ言わずに付き合ってくれる。



「そうだな、大学生になったんだしな。
もうちょっと延びるといいな、門限」



そう言って笑ってくれる悠を

私は優しく抱きしめた。


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