星の旋律、砂の音色
私には、一つ夢があった。
小さい頃から夢。
誰にも譲りたくなかった夢。
歌手になるって夢。
親に無理やり習わされた音楽。
ピアノもバイオリンもフルートもやった。
同じように歌も歌ってきた。
歌は大好きだった。
楽器よりも好きで、いつも歌っていた。
オペラ歌手でもいい、コーラスでもいい、
何でもいいから歌う仕事をしたい。
私はそう思って歌を続けてきた。
高校三年の時に決めた進路は、
勿論、中央に出ること。
オーディションを受けてもいい、
路上で歌ってもいい、何でもいい。
人に認めてもらえるような歌手になりたい。
そう、進路を決めていた。
でも…。