星の旋律、砂の音色

「バカなことを言うんじゃない!!」

「無理に決まってるだろうが」

「いくらかかると思ってるんだ」

「成功なんて有り得ない世界だ」



お父さんから出た言葉は辛らつだった。



自分の歌う姿を褒めてくれたお父さん。

こんなにいい声はいないと言ってくれた。

歌いたいという私を、絶対に応援してくれると

そう信じていたのに、全く逆だった。



「東京に出るなんて、許さん。
歌うこともダメだ。」



オーディションを受けるどころか、

歌うことすら禁止された。

家族でいる時に音楽番組が始まると、

テレビを消す徹底ぶり。



お母さんも味方じゃなかった。



歌手になりたいと一番に告白したのは、

お母さんにだったんだけど、

お母さんはお父さんに止めてと相談した。





一番、味方になってくれると思ってたのに…。


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