星の旋律、砂の音色

悠もまた、

私が東京に行くのを反対してた。

言わなかったけど、

空気で分かってた。



最初は私も相談していたけど、

お父さんの言うことも一理ある、とか

お母さんの気持ち俺にも分かる、とか

言うようになったから、私は相談しなくなった。



もし悠が一緒に東京に行こうって言ったら、

多分家出してでも出て行ったと思う。





だけど、自分の家族を大事にしている悠には

私の願いなんて気付かなかったんだろうな。





私も家族が大事じゃないワケではない。

私が何かしたいと言えば応援してくれる、

そう信じていただけに、ショックは大きかった。

悠みたいに夢を追いたかっただけなんだ。








高校三年の私の戦いは、

無残にも挑戦手前で折られた形となった。


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