星の旋律、砂の音色
バイト
どんよりと始まった大学生活だったけど、
慣れるのに一生懸命になっていたら、
あっという間に季節は梅雨を過ぎていた。
「ちょ、あかり!次必須だよ!」
帰ろうとしてた私を呼び止める声。
振り返ると友達の麻衣がいる。
「え?私今日もう終わりだよ?」
「何寝ぼけたこと言ってんのよ、
こないだ代講入ったってメールしたじゃん」
「あ、あれ?」
「しっかりしてよ~もう」
高原麻衣。
高校時代から一緒に居る親友。
偶然にも同じ大学に進学になって、
大学に行きたくなかった私も
麻衣が居たから少し元気になった。
「どうしよぉ!私約束してたのに!」
「ま~た、どうせ彼氏なんでしょお」
ニヤニヤしながら麻衣が私の手を引く。