星の旋律、砂の音色
「ただいま~」
「おかえりぃ!卓也君から電話あったよ」
「卓也から?」
村井卓也。
小学校からの幼馴染じみ。
親同士が仲良いもんだから、
卓也は唯一電話を切られない相手。
たまに卓也の名前を借りて、
男の子に電話して貰ったのは内緒話。
携帯から卓也の自宅に電話する。
卓也は携帯持ってるけど、出ない。
いっつもゲームばっかりやってて、
携帯鳴ってるのに気付かないんだよね。
「もしもし、卓也?電話したって?」
『うん、ちょっとさ、頼みがあって』
「頼み?」
『小学校の頃の田崎先生って覚えてる?』
田崎先生って言えば、3年生の時の担任。
女性の先生で一年間だけだったけど、
とっても優しくて面白い先生だった。
でも、すぐに転勤になっちゃったんだよね。
「覚えてる覚えてる!大好きだった!」
『先生さ、今俺たちの母校に戻ってるんだって』
「マジで?」
『うん。こないだたまたま会ってさ』
田崎先生かぁ…懐かしいなぁ。