星の旋律、砂の音色
「ええ!これ、砂野君の!?」
「そうだよ!かっこいいっしょ!」
キラキラした笑顔でバイクを触ってる。
こんな大きいバイクに乗ってるンだ!
すごーい!と私は尊敬の眼差しになる。
「まぁまぁ、とりあえずこれでバビューンって
行っちゃえばバス代浮くぜ?」
「でも、私乗ったことないの、大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、しっかり俺に掴まって!」
ヘルメットすらモタモタつけてる私に、
砂野君はひょいと私の身体を持ち上げて
バイクの上に乗せてしまう。
「きゃあ!」
「お、何だぁ?女の子みたいな反応だなぁ」
「お、女の子です!!」
「ほらほら、掴まっとかないと振り落とすよ」
エンジンがかかると、身体に震動がくる。
思わず落ちそうになる体を支えるために、
砂野君の服を掴んでしまった。
「服はやめて~!俺はこっちが好みなの」
と言って、私の腕を砂野君の身体に
絡みつけるようにぐいっと引っ張った。