星の旋律、砂の音色

「ええ!これ、砂野君の!?」

「そうだよ!かっこいいっしょ!」



キラキラした笑顔でバイクを触ってる。

こんな大きいバイクに乗ってるンだ!

すごーい!と私は尊敬の眼差しになる。



「まぁまぁ、とりあえずこれでバビューンって
行っちゃえばバス代浮くぜ?」

「でも、私乗ったことないの、大丈夫?」

「大丈夫大丈夫、しっかり俺に掴まって!」



ヘルメットすらモタモタつけてる私に、

砂野君はひょいと私の身体を持ち上げて

バイクの上に乗せてしまう。



「きゃあ!」

「お、何だぁ?女の子みたいな反応だなぁ」

「お、女の子です!!」

「ほらほら、掴まっとかないと振り落とすよ」



エンジンがかかると、身体に震動がくる。

思わず落ちそうになる体を支えるために、

砂野君の服を掴んでしまった。



「服はやめて~!俺はこっちが好みなの」



と言って、私の腕を砂野君の身体に

絡みつけるようにぐいっと引っ張った。


< 40 / 50 >

この作品をシェア

pagetop