スカイ・フラワー
翌日……

今日も文化祭である。今度ばかりは、重役出勤などできるはずがない。

今日は俺達、装飾係も総出でお化け屋敷の手伝いをしなければならないからだ。






集合時間には何とか間に合った。まだ、客はいなくて生徒が下準備に励んでいる。

教室を目指して階段を上がっていると、後ろから喧しい声と共に山地が来た。

「ちーーこーーくーー…だぁっーーー!!」

「……」

「あれ……シカト?」

「いや、リアクションに困ってるだけだから」

「反射神経にぶってんのか?」

(関係ねーーーよっ)

「そうだな…」

面倒なので適当に流した。





「じゃ、今日もよろしくっ」

委員の生徒の声で、支度を始めた。





二十分後。

校内放送で、文化祭二日目の開始が促された。







「おっ!早速、宣伝だぁ!行くぞっ!田中、三枝!!」

山地は俺と田中に、手持ち看板を渡すと、お化けの衣装に身を包んだ。

「山地君、あの…もしかして…僕達も?」

「もち!」

田中の読むは的中した。結局、山地はドラキュラで田中は包帯だらけのミイラ、嫌々ながらも流れで俺は白いマントみたいのを体に巻き付け、フードをカブった謎のお化けにされた。

「よし!出陣じゃあーーーー」

山地は何故か、看板の代わりに段ボールでできた十字架を掲げて先頭に立って、颯爽と廊下を歩き出した。

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