スカイ・フラワー
四人は雑貨屋を出ると、今度はクレープ屋へ向かうこととなった。

出発してからもう一時間半が経過していた。

クレープ屋につくと、女子二人はテンションが上がり、メニューを見てどれにするか悩んでいるようだ。

「女の子は好きだな。クレープとかさ」

「そりゃ、女の子のロマンだろーよ!」

「…お前まで変になってんなよ」

俺と山地はクレープ屋のオープンカフェ風のイスに座って二人がクレープを買うのを待っていた。

「あぁ…高円寺マジ可愛いーわぁ~」

「今さらだけどお前、高円寺のこと好きなのか?」

「てへっ!」

てへっ!…じゃねぇよ。まぁ、高円寺を好きなのは確かだ。

「コクるのか?」

「…それなんだよな。タイミングが大事だよなー」

「今日はまだしない!仲を深めるのが先決さ!」

「あそ」


二人はクレープを持って来た。

「二人とも食べないの?」

長月がクレープにカブりついた。

「俺はいいや」

「俺は食べよーかなぁ!!長月の何?」

「ストロベリー&ラズベリー・カスタードだったかな」

「じゃ、高円寺のは?」

「ティラミス&生チョコクリームだよー」

「どっちもウマそーだなぁ買ってくるー!」

山地は行ってしまい、俺は取り残された。

「三枝君は甘い物苦手なの?」

高円寺は聞いた。

「いや、嫌いじゃないよ。ただ食べにくいだろ?それ」

「アハハッ!そうかなー」

「まぁ、食べ慣れてないしな。それにしても高円寺の食い方キレイだな」

「……っ!!そ、そんなことないよ?」

千広は顔を赤らめて言った。

「本当だよ」


「ご馳走さまーーっ!」

長月はクレープを食べ終えてしまっていた。

「お前、もうちっと味わえよ。ってか高円寺の食い方見習えよ」

「十分味わったわよ!それに、アンタに食べ方指図される覚えなんて無いわよ」

「ほっぺたにクリーム付けてる奴に言われたくないね」

「えっ!?マジ?」

「ったく。ほら」

俺はポケットからティッシュパックを長月に渡した。

< 27 / 104 >

この作品をシェア

pagetop