スカイ・フラワー

星の輝くころ

「起きろーーーっ！！」


ガバッ！


山地の大声が脳の奥まで響いて、俺は飛び起きた。

まだ眠気まなこな俺の肩をゆさゆさと揺すぶって山地は俺を目覚めさせた。

「どーしたんだよ？」

俺の携帯のメインディスプレイには、八時二分と電子的な時間が時を刻んでいる。

「夏だぁー！海だぁー！サマービーチだぁー！」

山地は既に私服に着替えている。

「で？」

「今日は夕方からだろ？だから、午前中は海でパーっと遊ぼうよ！」

山地は何故か俺の支度を始めた。

「まぁ、いいか…」

俺達は真弓さんの作った美味しい朝ご飯を食べた後、日課となった店内の掃除と花の手入れをササッと終わらせた。

「今日ぐらいはいいのに」

「いえ。美味しいご飯を食べさせてもらってますから」

「フフッ。三枝君は本当に大人ねー！モテるでしょ？」

「そんな事ないですよ？」

「謙遜しちゃてー。もう良いわよ？いってらっしゃい？」

「はい。じゃあ」

もう最後の日にもなり、大分、花屋の仕事には慣れた。

だから、どうしても【あおい屋】が名残惜しく思った。

「おーーいっ！行くぞーー」

山地はもう五十メートル程先まで歩いていた。

いつの間に…

俺は軽く真弓さんに頭を下げて、山地の後を追った。


ーーー……


浜辺には、人が溢れかえっていて賑わいを見せる。

空には雲一つない青空にギラギラと照り付ける太陽があるだけだった。

俺達は既に水着をはいて、上にＴシャツといった装いである。