スカイ・フラワー
「じゃあ、お化け屋敷の役割分担したいと思います。黒板に書いていくんで、やりたい所に手を挙げて下さい」

黒板には、宣伝係・実行係・設計係・装飾係と書かれている。

「宣伝係は、看板や張り紙、当日の接客を中心にやってもらいます。実行係は当日のお化け役と受付、裏方とかです。設計係は通路や小道具の製作。装飾係は教室内の雰囲気作りと壁とかの飾り。といった感じです。じゃ、五分くらいで決めて下さい」

教室に賑やかさが戻る。

「どうする三枝」

「山地がいいのでいいけど?」

「じゃ、後ろに聞いてみて!」

なるほど。

「…仕方ないな」

俺の後ろは長月だ。そしてその後ろには高円寺の席がある。山地は高円寺と同じ係になりたいわけだ。

「なぁ。長月」

「ひゃっ!な、なに!?」

「そんな驚くなよ」
(変なヤツだな)

「別にいいでしょ!で、何?」

高円寺の方もドギマギした様子だ。

「係何にすんの?」

「えっ……と…」

長月は高円寺を向くと何か話し始めた。

「……」

俺も山地に視線を向ける。山地は何故かノートに『装飾係が簡単らしいよ』と殴り書かれたのをみせて来た。

俺はそれを察して長月の背中に向けて言う。

「装飾係とか簡単らしいじゃん?よくない?」

向き直った長月。

「そうみたいね!私達もいいなと思ってるのよね…」




「じゃ、手を挙げてくださいね」


ーーーーー………



結局、運良く俺と山地、長月と高円寺は装飾係になる事に成功した。

装飾係は俺達四人を除いて後三人いる。

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