スカイ・フラワー
「あ~。それなら…………知らんっ!!」

(威張って言うなよっ……)

「あ、そうスか」

結局、場所は分からない。俺は集まっている場所に戻った。

教室は役割分担ごとに集まって話しをしているため賑やかだ。

仕方ないので、一番頼りになる相田に恐る恐る聞いてみた。

「あの、相田…」

「何かしら」

「黒幕とか何処にあるか知らないかな」

「事務員の人に言えば貰えるわよ」

「ありがとう」

「ええ」

さすが、クラス委員。俺は山地を黙らせてから、田中と三人で事務室に向かう事となった。




黒幕を持って戻ってくると、女子四人は机の中心にルーズリーフを置いて何か話し合っていた。

「持って来たけど、どうすんの?」

山地は誰にとも無く言った。

「教卓の上に置いといてくれる?」

相田の言う通りに山地は教卓に黒幕を置くと、俺と田中の肩を寄せてしゃがんだ。

「なんだよ」

俺は声を押さえて言った。

「あん中でタイプの女子誰?」

クククッと笑いを押し殺して山地は言った。

「俺は当然、高円寺だけどな!田中は?」

「僕?……僕は………橘さん…かな…」

「おぉ!いいノリだぞ!田中ぁ!しかし、橘とは…大変だな」

「そ、そうかな…」

「ってか田中って以外だ…」

俺は本当に以外だと思った。案外、普通に喋る田中は俺の中のイメージとは違った。

「三枝君はどうなの?」

田中も山地も興味津津といった顔だ。

「俺?……」

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