スカイ・フラワー
「千広ったら!折角チャンスあげたのにぃ」

「だっていきなりじゃない!!無理よー」

「どうするの?今日は?」

「……もうちょっと…だけ……」

「そう…」



戻った二人は、既にあらかた段ボールをヒモに縛って一休みしている香と幹也に終止驚いた。

「もう終わらせたの?」

「まぁな。こんな暑い場所さっさとおさらばしたいからな」

俺は手で団扇をしながら言った。

「後は片付けるだけだよぉーん!」

山地は汗だくだ。

「うわぁ!山地君汗すごいね?何か飲み物とか買ってくるね!いこっ夏葉」

「仕方ないっ!たまには奢ってあげるわ」

「マジ!?ありがとー」

「サンキュ」

二人が行った後、いきなり山地は俺の近くに寄ってきた。

「ぐわっ!寄るなよ暑苦しい」

「ええやないかぁ~。減るもんやないでぇ?」

(いや…相変わらず意味わかんねぇ…。しかも関西弁ナゾっ!!)

「普通に言え。普通にな」

「俺さ……高円寺に告白するわ」

「……頑張れよ」





「ええぇぇぇ!普通っっ!至って普通ぅぅ!!」

「普通で何が悪い」

「ま、いいや」

山地はそれ以上は何も言わなかった。だから、俺も何も言わない。

何もしない。俺は山地を見守るだけ。

頑張れよ山地………


本心からそう思った。


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