スカイ・フラワー
携帯の着信音が鳴り響く。俺は携帯を開いてディスプレイを見る。今まで寝ていた事を忘れさせる人からのメール。




山地…





俺は飛び起きるという表現が似つかわしい程の勢いで上体を上げた。





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件名:

本文:

お前に話したい事があるんだ。学校の正門にいる。








PS.遅刻決定。
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……………!!!






時刻、午前九時三十二分ーーー

「やべぇ……」

集合時間は午前九時半。





家を飛び出して全力疾走して行く。制服はネクタイもせずにワイシャツは出したままで、入道雲が浮かぶ空の下を走り抜けて行く。






山地の話したい事って何だろう……





山地からのメールなんて久しぶりだった…







早く……早く……





走り始めて10分。俺の目にようやく学校が見えてきた。私立高の洋風な大きい門の前には、山地が寄り掛かっていた。

俺の足は自然とゆっくりなり、山地の前で動きを止めた。

山地も俺の正面にしっかりと立った。






「よぉ。ねぼすけ」






「よ。ボンクラ」





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