スカイ・フラワー
もと通り、これから
ーーーー……そして、今……
先に口を開いたのは山地だった。
「俺、高円寺と話した。そんで、ちゃんと納得したし、もう平気だから」
山地の声には力がこもっていた。その言葉は俺の奥でしっかりと受け止められた。
「……そうか」
「やっぱ、高円寺はムリしてたよ…。俺はサイテーだ。逆に高円寺を傷付けていたんだ」
「……」
俺は何も言わずに唯、山地を見ていた。
「でも、今でも高円寺は好きだよ。友達としてね。だから、俺は高円寺の恋を応援することにした。これからも高円寺とはずっと友達だし、高円寺もそう言ってくれたんだっ」
山地は二カッと笑った。その笑顔はあの日から少しも変わらないままだった。
「…俺だって…お前の親友だからな。俺がしっかりしないと三枝はダメだからなぁ~」
「ウッセー」
…本当の親友はお前だけさ………。
俺はこの言葉を心に秘めた。大事に………。
「ほれ!お前、遅刻だからなっ!長月とかキレてんぞーーー!」
山地のいつもの笑い顔だ。俺も軽く笑い返すと、校舎へと歩いて行った。