スカイ・フラワー
「どうしたの」
「山地君に言っておきたい事があるんだ…」
「高円寺の意中の人が三枝とか?」
「えっっ!?」
「…図星かぁ…」
「知ってたの?」
「何となくねー。見てれば分かるよ」
「いつから?」
「最初から!だから、実はダメかなって思ってたんだ。案の定ダメだったけど…でも、後悔してないし、俺は高円寺の事応援するから!言ってくれてありがとう」
幹也の眩しい笑顔に胸が締め付けられそうだった。けれど、幹也の言葉は千広の心には暖かく響いた。
「ううん。こちらこそ…ありがとう…」
「おう!じゃあな!」
幹也は二人の背中を追って走った。その背中は、悲しみというよりは晴れた空のようにスッキリした感じがした。
そう、今日のように晴れわたった雲一つない茜空のように……
「どーーんっ!」
「いってぇなぁ!いきなり何だよ!」
山地は肩に手を回して来た。それに、山地は清々しい笑顔だ。
「……何か高円寺に言われたのか?」
「別にぃーーー!!」
「男子同士でイチャイチャしないでよっ」
「長月は心が狭いなぁ!」
「いや、意味わかんねぇから」
こんな他愛の話しは、尽きなかった。
でも、俺は………
今この時がたまらなく好きだ………
こんな晴れた空も………
たまらなく好きだ。