スカイ・フラワー
ありがとう



喋らないという事がこれ程まで苦しい事だと感じたのは初めてだったのかもしれない。

いや……ただ覚えてないだけなのかもしれない。今まで俺は孤独から逃げていただけだった。

誰とも関係を持たないようにしてきたのは…孤独だということから俺自身が恐れて逃げていたからだ。

『……隣りに居させてください……』

こんな俺に高円寺が言ってくれた言葉はあまりにも重くて…大きくて…勿体ない言葉だった。

俺にはそれを受け止めるだけの…高円寺の気持ちを受け入れるだけの想いがなかった。

俺の中に閉ざされたモノは感情なんかじゃない…。自分自身への素直さだった。

山地を羨ましく思ったのは、あまりにも山地が自分に素直に、自分を見失う事なく前へ進んでいたからだった。

『好き』…至って簡単に言える言葉……

しかし、時に心を揺さぶる程の意味を持ち言葉にするのが困難になる言葉……。






『好き』という言葉に価値なんてないんだ。

俺の中に木霊する『好き』という言葉は、高円寺が俺に伝えた価値を超えたモノ………。

……こんな大事な事に





やっと気付いたのに………





俺は何で………












彼女を泣かせる言葉なんて…言ってしまったんだろう…………









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