スカイ・フラワー



きっと、俺なんかよりも苦しい筈なのに高円寺の声はしっかりと力のこもったものだった。






「いいのか?」







「うん…」










「ありがとう……」








もっと気の利いた言葉があった筈なのに俺はこんな素っ気無い事しか言えなかった……。

俺は高円寺から色んな事を気付かせてもらったのに……。

でも、この言葉には………俺の中で一番の心を込めた言葉だったんだ……。







俺にとって大切な存在に変わりない……

そんな高円寺は…俺なんかのそばに居てくれる。








最高に大切な友達だから………








「それじゃ………私の気持ちは全部伝えた…だから、今はスッキリした感じ!三枝君はきっと優しいから……心配しなくても私は平気っ…いつまでも私の大切な人だから…じゃあね!」

高円寺は目に溜まった涙の粒をサッと拭うと、ニコッと笑った。

その笑顔が…俺に今の高円寺が多少は無理しているけど、理解してくれているという事を伝えるには十分過ぎる程に心がこもった清々しいものだった。

それに答える事はできなかった……俺には言葉にできるほど器用な頭はないから…

俺は笑って見せた。


言葉では表現できなかった………







言い切れない程の………







『ありがとう』を込めて…………




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