スカイ・フラワー
気付かせくれたヒト
文化祭当日……
俺は装飾係だったため、朝早くから登校する生徒とは違い悠々と時間を使って学校へと向かっている。
数日前、高円寺から想いを告げられてからはあまり寝れなかった。
高円寺はその後、俺にメールをくれた。今までと同じように…。
だから俺は断ってしまった事に負い目を感じずに、こうして今日も学校へ行ける。
こんなに晴れた日に俺は下を見ないで前を向けるんだ。
学校周辺や校舎内は予想以上に賑わいを見せている。
この学校では、中庭や外通路にも出店を催す事ができる。
だから、俺が校舎内に辿り着くまで苦労したのは言うまでもない。
教室の前へ来ると、受付の女子が俺を見つけるやいなや、裏方の仕事を頼んできた。
「お願い!!人手足りないの!」
「…わかったよ」
「ありがとう!裏に誰か居ると思うから!」
「あぁ」
俺は裏方用に作った扉を開けた。中には長月と橘が居た。
「「あぁーーーっっっ!!!!」」
長月と橘は二人で大声を張り上げたので、別に客でもない俺はお化け屋敷の裏で驚いてしまった。
「な、なんだよ!」
「な・ん・でっっ!」
「はい?」
橘は凄い形相で言い寄った。
「千広をフった事よ!!あの子が納得しても私は納得してないんだから!」