スカイ・フラワー
山地は注文したカレーをガッつきながら俺に話してきた。

「お前、高円寺フったんだってな」

一瞬、ドキッとした。長月の言葉が頭をよぎる。

「あ、あぁ…」

「まぁ…お前にはお前の道があるっていうか……俺は間違っちゃいないと思うよ。だから、三枝は気にすんな。俺の事とか高円寺の事とか…俺はいつまでもお前の親友だからな」

山地はこういう奴だ。人を思いやる気持ちは人一倍強いくせに、サバサバしてる。

そして、たまに臭い台詞をサラッと言ってのける。

「……ありがとう」








「じゃ、奢りって事でチャラにしてあげよぅ!」








おいっ山地。ほんの少しでも信頼した俺が馬鹿だったよ。







でも……







「…わかったよ」






それでも………





「やったねーー!」









………ありがとう………







俺の親友。





< 96 / 104 >

この作品をシェア

pagetop