スカイ・フラワー

ーーーー………

「どうしたの?夏葉……帰ろっ」

「あ…そっか…何かもう皆で帰るの習慣になっちゃって…」

「そ、そうだね。学校始まったら…バラバラで帰るようになるね…」

「……いこっ!千広」

「うん」

私はこの日、あまり三枝には会わなかった。

千広と校門を出て、いつもの分かれ道で言葉を交わして帰路につく。

そして……商店街………。

アイツは今日、此所に来るだろうか……。

本屋で立ち読みするのは……三枝を待ってる理由にする為。

でも…もう来ないかもしれない。私達の夏は終わりを告げたから。

そんな気がした………。

いつの間にか、本屋の前で立ち止まっていた。







期待していた。







三枝がまた…来てくれるんじゃないかと。







でも、そんな期待もすぐに振り払った。







そして、私が歩きだそうとした時だった…………。










「何だ。立ち読みしねーのか?」

「きゃっ!」

「そんな驚くこたぁねーだろ。案外、ショックだぞ」

「……い、いきなり何よ!立ち読みしようが、しまいが勝手でしょっ」

心臓が飛び出るかと思う程驚いた。丁度、本人の事を考えていたのが恥ずかしくなった。


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