スカイ・フラワー
三枝は…来てくれた。

「ツンツンすんなよ」

「あ、アンタだって帰り道にわざわざ商店街通ってかなくてもいいでしょ」

「いや、長月見えたからさ……」

「…あっそ…」

「送ってくよ」

「…うん」

俺と長月は、いつものように商店街をくだって行く…。

「何で先帰ってたんだよ。山地がウッサかったんだからな」

「え?」

「いつも一緒に帰ってたろ?今日どうしたんだってな」

私は何か勘違いをしていた。夏が終わりを告げても私達は続いていくって事。

「ご、ごめんっ…」

「別に」

「……」

沈黙が暫く続く。俺にとって心地良い沈黙。独りでいる時とは違う…長月が居るという沈黙。

長月は、どう思ってるのかな。









「…もう…夏休み、終わったな」

「でも、楽しかったでしょ?私達と過ごせてっ~」

「まぁな…俺、初めて夏らしい夏休み過ごせた気がするよ」

俺は普通に笑顔が出せるようになった。皆の御陰なのは言うまでもない。

「三枝って笑うと良い顔になるね」

「がっ!?」

初めて言われた。

「キャハハ!照れるな若僧っ」

「ウッセーっっ」

長月の無邪気な笑顔に俺も笑顔がこぼれる。




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