ルナ
それから彼女のハンカチをことある毎に嗅ぐことが僕の日課になった。

彼女のハンカチを鼻の下に当て、僕はうっとりと目を閉じる。

優しいその匂いは、まるで彼女が傍で僕に微笑み掛けてくれているような、そんな幻想を抱かせた。


初めて感じた人の優しさは、僕を虜にさせるのには十分だった。

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