*執事サマの甘い誘惑*
「何…!?」
振り返ってみると、いつの間にか女子が入り口付近に群がっていた。
目を細めてよく見てみる。
だけど、女子が囲んでいるものが何なのかは分かんない。
ふと、そこへ向かってあたしの前を通り過ぎてゆく女子の声が聞こえた。
「プリンスがいらっしゃったわ!」
「今日こそ契約を申し込まなきゃっ!」
…プリンス?
あの中に、噂の「プリンス」たちがいるってこと?
すぐにわかった。
プリンスとは、この学園のトップ3で、王子様的存在。
三人とも契約していないらしい。
世界がうらやむ億万長者の御曹司たち。
まあとにかく、
あたしには、ぜんぜん関係ない人たち。
…の、はずだったのに。
.