*執事サマの甘い誘惑*




「何…!?」




振り返ってみると、いつの間にか女子が入り口付近に群がっていた。


目を細めてよく見てみる。


だけど、女子が囲んでいるものが何なのかは分かんない。


ふと、そこへ向かってあたしの前を通り過ぎてゆく女子の声が聞こえた。




「プリンスがいらっしゃったわ!」


「今日こそ契約を申し込まなきゃっ!」




…プリンス?


あの中に、噂の「プリンス」たちがいるってこと?


すぐにわかった。


プリンスとは、この学園のトップ3で、王子様的存在。


三人とも契約していないらしい。


世界がうらやむ億万長者の御曹司たち。


まあとにかく、


あたしには、ぜんぜん関係ない人たち。







…の、はずだったのに。



.
< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop