消された煙草
2
『ツー、ツー、ツー、ツー………』
気付けば電話は切れていて、私は相変わらずベッドの上に座り込んだままだった。
何だったんだ?
――私を殺して……?
電話の声は確かに言った。
殺された本人が電話をかけてくるはずない。誰か別の人間に決まってる!
私はそこでハッと気付いた。
今の電話の声は私がこの女を殺したと言ったのだ。
……見られていたのか?自分の記憶にすら残っていない犯行を?
私はその考えに愕然とした。