消された煙草
仰向けで息絶えている女の目が、私を見ていた。
いや、見ている、というのは違う。ただ、瞳に私の姿を映しているだけだ。
……確かにさっき見た時は瞼が閉じていた。
見間違いだろうか?
背筋が寒くなって、鳥肌が立った。
見間違いだ。そうに決まってる。
きっと最初から開いてたんだ。
早くこの空間から離れたくて、私はブツブツと小声で呟きながら死体から目を逸らし、リビングへと続くドアを開けた……。