消された煙草


僅かだけれど、よく見ると違う。
置かれている小物や、カーテンの色、食器の種類だって違う。


「同じアパートの、違う、部屋?」


そうだ、そうに違いない。
隣の部屋か、上か下か、そんなことは知らないが、とにかくここは私の部屋ではないんだ。


そう結論付けた瞬間、ほっとしてため息が出た。


……とにかく一度、自分の部屋へ。


私は玄関のドアに手を掛けた………。





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