消された煙草
5
「……ごめん」
「いいの、仕方ないわ」
彼女に求められ、私はそれを受け入れた。
彼女を満足させてあげられるはずだった。
「本当に……」
「大丈夫よ、私がいけなかったの。いそぎすぎたのね」
謝る私に彼女は穏やかに微笑んでいた。
しかし、その微笑みを見ても私の落胆した心は軽くならなかった。
どうして…どうして出来ないんだ?
途中まではうまくいっていたのに…。
ベッドの上で膝を抱えた私の肩を、彼女は優しく抱いてくれた。