消された煙草
やがて彼女は私との暮らしに慣れ始めた。
ある日彼女は言った。
「ねぇ、カーテンの色、変えてもいい?私の趣味じゃないの。それから食器も増やすわね、あなたのだけじゃ足りないから」
別に文句はなかった。
カーテンの色にこだわりなんてなかったし、食器だって少ないのはわかっていたから。
私の了解を得た彼女は次々と部屋のインテリアを変えていった。
変わらなかったのはリビングテーブルとソファ。寝室のベッドくらいだろうか。
私には彼女がいてくれたらなんだって良かったのだ。